破壊外交 2013 2 16

「昨年の夏を振り返って」

 田原総一朗氏のメールマガジンには、このような記事があります。
「中国軍によるレーダー照射問題の背後にある『お粗末な民主党外交』」(2013年2月15日)

 2月10日に静岡県浜松市で「激論!中国問題」と題してシンポジウムを行った。
中国軍幹部とのパイプも持っていて、中国問題に詳しい石川氏が、こう話した。
 中国は、日本に対して非常に怒っている。
それはなぜか。
日本政府は、昨年9月11日に尖閣諸島の国有化を発表したが、
8月の段階で、野田佳彦首相の特使として外務副大臣が中国を訪れていた。
 首相の特使なので、中国側は、外交担当トップの戴秉国国務委員が対応した。
外務副大臣は、戴氏に「日本が尖閣諸島を国有化することを世界に向けて発表したい。
中国は、これを認めてほしい」と伝えた。
 ところが、戴氏は激怒し、尖閣諸島は中国の領土だと主張した。
二人の会談は決裂した。
 しかし、外務副大臣は、決裂したまま日本へ帰るわけにいかないと考え、
外務大臣にも中国大使にも内緒で、再び戴氏と会った。
 外務副大臣は「あなたの立場もよくわかる。
そのことを日本側に報告し、うまく説明する」というようなことを戴氏に伝えたという。
 戴氏は、つまり中国側は、それを聞き、日本側が妥協すると思ったらしい。
日本政府は尖閣諸島の国有化をせず、
「中国の言い分を理解する」といった声明を出すだろうと受け止めたのである。
 外務副大臣は帰国後、外務大臣の玄葉光一郎氏に報告した。
何をどう報告したかはわからないが、二人は激しく対立したという。
その後、昨年10月に発足した第3次野田内閣で、外務副大臣は、その地位を退いている。
 野田首相と玄葉外務大臣のコミュニケーションも、
どういうわけか、うまくいっていなかった。
野田首相は、外務副大臣が戴氏に2度も会ったことを知らされていなかった。
 外務副大臣の交渉がうまくいったものと思っていた野田首相は9月9日、
ウラジオストクで開かれていたAPEC首脳会議の合間に、
胡錦濤国家主席と立ち話をして尖閣諸島国有化を伝えた。
(引用、以上)
 その後、どうなったかは、皆さん、ご存知のとおりです。
反日デモ、そして、それが暴徒化して、日本企業を襲撃。
さらに日本製品に対する不買運動。
 ここで問題になるのは、当時の民主党政権の「意思疎通の悪さ」でしょう。
それどころか、民主党政権時代は、「内ゲバ」は日常茶飯事で、
「もはや政権として機能していない」と思ったことがありました。
 さて、なぜ、このタイミングで、
このようなことを、このサイトに掲載するのか。
 私は、中国に対しては民主化を求めていますが、
「混乱の民主化」は求めてはいません。
 今、中国には、二つの勢力が並び立っています。
それは、政治勢力と軍事勢力です。
 このタイミングで、これ以上、中国共産党の弱体化は望ましくないのです。
軍に対する政治の優位は、常に確保しなければなりません。
政治的混乱の中で、民主化は進められません。

党の軍隊 2011 10 16
 私は、2011年10月2日に「党の軍」という文章を書きました。
しかし、多くの日本人どころか、政治家までも、
意味がわからなかったらしく、ぼんやりしている状態だと思います。
 もっと、はっきり書きましょう。
現在の中国の軍部は、
戦前の日本軍と同じような状態になっているということです。
つまり、政治家の統制が利かなくなっているということです。
 人民解放軍は国軍ではなく、党の軍隊であるという位置づけです。
国務院の国防部は、人民解放軍に対する指揮権を持っていません。
あくまでも党が軍をコントロールするのです。
 しかし、党の最高指導者が毛沢東やケ小平のように、
強力なカリスマ性を持っているならばともかく、
どんなに優秀な政治家でも、巨大化した軍をコントロールすることはできません。

党の軍 2011 10 2
 相変わらず、南シナ海が緊張の高い状態にあると言えますが、
このような状態において、周辺国は、
中国外務省に抗議しても無駄だと思います。
 そもそも、人民解放軍は、中国外務省を見下していると思います。
中国において、「外務大臣」も外交担当の国務委員も、
政治局常務委員のメンバーでしょうか。
いや政治局委員にもなっていないと思います。
 中国は、共産党が国家を指導する体制です。
さらに、人民解放軍は国軍ではなく、党の軍であるという位置づけです。
(国務院の国防部は、人民解放軍に対する指揮権を持っていません)
 そういうわけで、国務院の一部である中国外務省が何を言っても、
人民解放軍は、聞く耳を持たないと思います。
 将来、外交担当の国務委員が、
党の政治局委員になれば、
いや現状では人民解放軍の強大な力を考えれば、
政治局常務委員にならないと、事態は改善されないでしょう。










































































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